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2024/06/24 01:11

10月21日(土)21:40頃、ディジョンのホテルに到着、翌日のジャパンウィーク最終日に滑り込みです。午前中から会場のCité Internationale de la Gastronomie et du Vinに出かけました。この日午後3時から開催される球磨焼酎セミナーに登壇するまでの時間、目当てのLa Cave de la Citéを訪れます。ここはブルゴーニュワインの有料試飲サイトで、専用カードにお金をチャージして、それを目的のワインボトルのディスペンサーに差し込み、量を指定するボタンを押すと規定量がグラスに注がれるという仕組みになっています。
僕は安いワインには興味はありません。目指すは地下に降りた所にある特別コーナーに並ぶいわゆる「グランクニュ」それも白、50ユーロチャージしても一番少ない量で、一、二杯で消えてしまいます。もちろん自分の楽しみで飲むのではなく、あくまで「勉強」、と言うのも、弊社の製品をぶつけようと思っているのはまさにこのニッチだからです。

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白のグランクニュを味わう

本格焼酎の樽貯蔵酒には、洋酒と区別するための色の制限があります。というのも昔は洋酒に比べて本格焼酎の酒税はかなり安かったからです。しかしながら今日では37度以上の酒は全く同じ酒税になっています。なのにこの色の制限だけは生き残っているのです。しかもこの「馬鹿げた色制限」の撤廃に反対しているのはほかならぬ我が本格焼酎業界なのですから話になりません。国際競争力は大いに削がれ、本格焼酎は世界ブランドになれるのか心もとない限りです。弊社製品は色を薄めるのに透明な酒をブレンドすることは致しておりません。それをやるとせっかくの香味がスポイルされてしまうからです。そこで特殊な方法で色を抜くのですが、これが大変な作業で僅かな量の色抜きにも2日ほどを要します。
でも、どんなに馬鹿げた決まり事でも多数決で決まったものには従うのが民主主義の鉄則。
しかし、どんなに悪く思われることでも、必ずプラスの面があるものです。色を抜いた樽貯蔵物は風味が強すぎず食中酒に適します。さらに色も白ワインくらいの食卓に映えるきれいな色です。
そこで考えたのが白ワインが苦手とする生の魚介類に合わせるということです。例えば、当然、刺身それから魚卵、生牡蠣などなど。焼酎にとっては得意のジャンルではないでしょうか。
グランクニュの白ワインを何度も口の中で転がしながら、焼酎でこれ以上のものを造りたい、いや、出来るはずだ、と何度も繰り返し想いにふけったことでありました。