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2024/06/24 01:10

パリで2泊したのち、ディジョンジャパンウィークの最終日、球磨焼酎セミナーの僕の担当時間に講師として登壇すべくParis Gare de LyonからTGVに乗りディジョン市に行かなければならないのですが、なんとその日は直行便がなくLyon Part Dieuから各駅停車に乗り換えなくてはなりません。直行なら約1時間40分で行くところを3時間強かかってしまいます。
仕方がないと思いながらも初めて乗る世界最速の鉄道列車TGVに少しワクワクしておりました。相変わらず子供みたいです。ところがここ最近目がめっきり(別にシャレではありません)悪くなっており駅の電光掲示板の文字が見えません。やれやれ困ったな…と思っていると、僕と同年齢くらいの上品なご婦人が近寄ってきて「何かお困りですか?」と親切に声をかけてくれました。「実は掲示板が見えなくて、どこで聞きいたものかと思って…」
すると彼女はそれを読んでくれたのでした。たしかにパリはスリや泥棒がたくさんいますが、親切な人もたくさんいます。道を聞いたりしてもみんな丁寧に教えてくれます。
TGVは車両が古いせいか狭いうえにきれいとも言い難く、正直日本の新幹線のほうがいいなと思いました。ただ、思っていたほど揺れません。僕が大学生の頃、飛行機代がまだやたらと高くて、帰省するときはいつも新幹線でした。その頃の新幹線はそれはもう揺れたものです。
今乗ると隔世の感があります。
日もとっぷりと暮れた頃Lyon Part Dieuに着いて待つことしばし、各駅停車に乗ってDijion Villeを目指します。ところが各駅停車には座席指定がありません。席もほとんど埋まっています。仕方がない、どうせ2時間くらいのこと、スーツケースに寄りかかって過ごすとしよう。
すると「隣の席、空いてますよ。お座りになりませんか。」という声、見るとまだうら若いイスラム教徒と思しき女性です。まだ二十歳そこそこに見えます。断る理由もないので好意に甘えることにしました。その後、彼女はしきりに携帯電話で話しています。フランスではマナー違反にならないのでしょう。しばらくして降りるために席を立とうとする彼女に向かって“Merci mademoiselle!Vous êtes très aimable.”と声をかけると、はにかんだ笑顔を返してくれました。一人旅をしていると人の親切を身にしみて感じます。仲間と行くにぎやかな旅も好きですが、一人旅が僕の性に合っている気がします。