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2024/06/16 19:37

「琴詩酒の友 皆 我を抛ち 雪月花の時 最も君を憶う」
白居易の有名な詩の一節ですが、今の自分にそっくりだなと思うこの頃です。
杯を傾けながら人生を語り合う友とて傍になく、独酌を重ねながら、「どうしてるかな~」、思いにふけるのは友のこと。そんな時、「雪月花」は大きな慰めを与えてくれます。
中でも冴え冴えとした寒さの中でなぜか心が温まる「雪見酒」は特に好きです。
わが郷里、球磨人吉盆地は南九州にあり、冬も比較的暖かいのではと誤解される人も多いのですが、トンデモナイ。内陸部の盆地ですからそれはそれは寒いのです。寒いことに関しては折り紙つきなのですが、平野部ではめったに雪は積もりません。ですから雪見酒などめったに出来ないというのが本当のところです。
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ガラス戸を目いっぱい開けてベランダの雪を眺めつつ、肴は無しで特吟六調子をお湯割りで楽しみました。お供の酒器は李朝白磁の乳瓶と李朝末期民窯の白磁杯、雪を固めて作った器のようです。口中に広がるアロマが心地よく寒さも忘れてしまいます。(実は背中をファンヒーターでがんがん温めてました。)…と、これは去年の1月の話です。
気象情報によると先週末は西日本では大雪になるとのこと、これは雪見酒ができるぞと楽しみにしていたのですが…
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今年はこれです。雪見酒の夢はこの雪のように消えて行ったのでした。
しかし、ニュースを見ますと降ったところは大変なことになっており、死亡事故も起こっていて、心が痛みます。雪見酒なんて不謹慎な話かもしれません。
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枯れ枝に残った雪が凍って朝日に輝いていました。
まるで「餅花」のようです。
ふと、思いました。あの友はどうしているかな~。